トップ > ・低侵襲性がん治療:アップコンバージョンナノ粒子
患者への負担が少ないがん治療法の1つに光線力学的療法があります。これはがん細胞に投与した光感受性物質に対して対外から可視光を照射することによって、活性酸素を発生させてがん細胞を死滅させるものですが(図a)、可視光の生体透過性の低さから大きながんや深部のがんを治療できません。そこで、アップコンバージョンナノ粒子と光感受性物質をがん細胞に投与して、生体透過性の高い近赤外光を照射することが検討されています(図b)。アップコンバージョンナノ粒子は近赤外光を照射すると可視発光するため、これにより光感受性物質から活性酸素を発生させることができて、大きながんや深部のがんが治療できるようになります。当研究グループでは、アップコンバージョンナノ粒子を作製し、培養がん細胞を用いてがん治療の効果を確認してきました。このナノ粒子は結晶性が高いため、高い発光特性を示すことが分かっています。